出演者のみなさまの音源を紹介いたします。1曲だけですが、それぞれ試聴もできますのでこの機会にぜひ聴いてみてください。
そんで当日の予習のために事前に音源ゲットするなんていうのは、より良いイベントの楽しみ方と言えましょうぞ!

東京ファミリーストーリー / 赤い疑惑

東京ファミリーストーリー / 赤い疑惑
赤いプロダクション / aka-004 ¥2,415
♪試聴曲 「東京ファミリーストーリー」

「せちがらいぜ世の中は」
三十路でフリーターは苦しい!世間的に厳しい!やりたいことを貫きながら社会で生きるって何だ。 人生って何だ。
そんな小難しいことを考えさせられるけれども、赤い疑惑はこれからも生きていくことを高らかに唄う。
社会人、フリーター関係なく全種類の人間必聴。
アルバムで社会的地位の低さ唄っているけれど、陰湿な暗さがない。それは、彼らが生きてきた中で感じた、家族や友人への感謝の気持ちを素直に唄っているから。どこか変な社会システムの中、人生を全力で生き抜いていこうとしているから。赤裸々な歌詞、赤い疑惑の真摯な唄に胸打たれるのです。
(Written by 岩崎雅子)

Para Todos Todo / EKD

Para Todos Todo / EKD
FZMX / EKDCD-001 ¥2,100
♪試聴曲 「En Babylonia」

「国民楽派のような魅力」
京都に住んでいると、良くも悪くも音楽の聞き方が「人間的」になってしまう。京都ような広くは無い街で、ライブハウスなど通うようになると周りのお客さんや出演者と顔見知りになるのは自然なことだ。一度、人間性を知ってしまえば音楽だけを聴くのは難しい。音楽の良し悪し+人間力での評価が京都でのスタンダードだと思う。
EKDを聴いて国民楽派みたいだな、と思った。この人達の音楽はクラシックミュージックのように楽譜におこして二次元になっても、別の国に暮らす別の時代の人にとっても魅力的であろう。聴く時にその人の生活や生い立ちまで思いやらなくても踊りまくれる音楽なのだから。
EKDがどんな人かまだ知らない。6月20日がとても楽しみである。
(Written by 小野寺里佳)

レター / LETTER

レター / LETTER
bumblebeerecords / BUMBE-5032 ¥2,500
♪試聴曲 「瓦礫の中のバンドワゴン」

「あやうい歌声に包まれる幸せ」
6月20日はLETTERでの出演ではない。それだけは先に断っておこう。
でもこの歌声は変わらない。やさしくてあやうくてとろけそうな歌声。三沢氏の声は休日がとてもよく似合う。
LETTERを初めて観たのはもう2年近く前だろうか。京都西院にあるウーララというライブハウスでだった。その時に会場を包んだハッピーな空気に心から本当に楽しくなって、こんなに贅沢なライブって世の中にあるんだとずいぶん感動した。
あの時はまだ家へLETTERを連れて帰ることはできなかったけれど、やっといつでも好きな時にLETTERを感じることができる。この音源は、悲しい時だってハッピーな時だって、どんな時でも一緒にいてくれる。気がつくと口ずさんじゃう。
あ、6月20日のゴンゾ氏とのデュオだってポップでハッピーであることは間違いないですよ。お楽しみに。
(Written by 田中郁后)

毒ヘビはいそがない / dOPPO

毒ヘビはいそがない / dOPPO
5B Records / 5B-004 ¥1,260
♪試聴曲 「君の本当の名前を教えてくれ」

「意味深」
「毒ヘビはいそがない」って、これまたすごい名前をつけたものだ。
この一風変わったアルバム名を意識しながら聴いていると、毒ヘビのじわじわとした動きを感じてのしのしと持ち上がるような気分になる。でもゆったりとしたテンポの曲ばかりじゃなくって、乾いたギターが走る曲もあったり。
ギター・ドラム・ベースのそれぞれの音がはっきりと聴こえて、ギターを掻き鳴らすだけのバンドじゃないってわかってくる。
どこかしらくにゃっと揺れている印象を受けるのは、歌声のせい?少年じゃないけど、大人とも言えないような歌声。dOPPOの魅力はその歌声とメンバーの演奏が巧妙に絡みあっているところかもしれない。
「毒ヘビはいそがない」なんて意味深なアルバムの名前の意味を解いてみたくなって、もう一回もう一回ってついつい聴いてしまう。そんな不思議な魅力のあるアルバム。
(Written by 岩崎雅子)

読みかけの本を置く / シゼンカイノオキテ

読みかけの本を置く / シゼンカイノオキテ
hanamauii Records / HMRS-0005 ¥1,500
♪試聴曲 「DEATHNOTEDATH」

「決して読みかけにはならない本」
ライブを観に行くたび、シゼンカイノオキテていいなあと言ったり思ったりしていたのだけど、こうしてCDとなって、ステレオの前でちゃんと正座して聴くと、それまでよりずっと、シゼンカイノオキテていいなあと、思った。しみじみした。
原始的・躍動的、でもおおげさじゃなく。ごりごりと骨ばっている、でも女性的なところもあってポップで。こんなふうに書くとさまざまな要素があるようだけど、あくまで彼らはシンプルだ。ギター・ベース・ドラム・声と、まっすぐ響く音を出す。なのだけど、3人の奏でる音楽はまっすぐじゃない。変則的なリズム、時折入る女の子ふたりのコーラス、佐野君の秀逸な歌詞。音と音、声と声、単語と単語。シンプルなんだけど、ひとつひとつが合わさっていくと、ばちばちと化学反応が起きて、非凡な世界ができあがっていく。その様に熱心に聴き入ってしまう。何度でも何度でも。
シゼンカイノオキテを聴いていると、原稿用紙にばりばりっと鉛筆で書かれたというような本を読んでいる気分になる。キーボードでかたかたとコピペしたり保存したりしてできあがったものじゃなく、ペンだこつくりながら紙に書かれてできあがっていくような。このCDが本だとしたら、何度でも通しでむさぼり読んでしまって、決して読みかけにはならないだろうなあ。
「平坦なスケッチでもって/凸凹で乱雑な君を覆す」私の中の何かも覆されちゃいました。
(Written by 土門蘭)