「なぜ萌芽をやるのか?」なんて遊びに来られるお客様には一切関係ないんですが、 なんかまあやる方にとってはそこそこ大切な問題で、イベントに向けての毎日に損なわれていく恋とか友情とか睡眠時間とかお金とかその他もろもろの中で、個人イベンターの存在意義とかけっこう考えちゃったりするわけです。そんなこんなで、こういう機会もなかなかあるわけではないので、所信表明的に座談会をやってみました。
お時間ある時にでもさくっと読んでみてください。そんな大した話全然してませんけど。

全員: よろしくお願いします。

自己紹介:
タナカイクコ
田中郁后
(O型/みずがめ座)
いろいろイベントなど手伝ってたりしたが、今はまじめに会社で働く女子。お酒もすっかり控え気味な30代。

いわさきまさこ
岩崎雅子
(O型/うお座)
生真面目。礼儀正しさがとりえの20代女子。
日曜日はいつも次の日の仕事のことを考えて落ち込んでいる。

オノデラリカ
小野寺里佳
(B型/ふたご座)
時々卵をみんなに配る20代女子。
見かけはかわいいが毒ばかり吐く。部屋を片付けるのが苦手。

どもんらん
【萌芽新聞特派員】
土門蘭
(O型/しし座)
東京で働くはぐれスタッフ。ほっとくとビールばかり飲む。12時を過ぎると大体ダメになる。文章を書くのが得意。


注釈:

※1 2009年2月の赤い疑惑レコ発@京都某所

※2 以前、田中・土門・小野寺・岩崎が京都の某フリーペーパーを通して開催していた隔月開催ライブイベント「Blue Garden of SCRAP」にて会場限定配布していた新聞

※3 2002年より毎年京都で開催されている世界で最も狂った音楽フェス

※4 Blue Garden of SCRAP

※5 BF(「棒に振る」ではなく「冒険とファンタジー」の意)

田中: さて、自己紹介からした方がいいのかな?それは、まあ欄外に任せましょうか。
小野寺: 私、第2外国語がスペイン語だからこの曲のタイトルの意味分かる!うれしい・・・
(EKDの音源を見ながら感動する小野寺)
田中: この音源ほんまカッコいいなあ。
詳しくは音源紹介をチェック!
小野寺: なんかこの人たちの音楽って、河原で突然チャカポコ始まる感じじゃなくていいですよね。葉っぱっぽくないっていうか。
田中: あーそれわかるな。
小野寺: でも最初ECDだと思って聴いてたのでびっくりしました。
田中: あー、石田さんだと思ってたら、池田さんだったのね(笑)。
この人たちを紹介してくれたのは、このイベントを立ち上げるきっかけになった赤い疑惑なんだよね。それまで全然知らんかったし。
岩崎: ほんと知りませんでしたねー。こういうイベントをやると知らない音楽に出会えるから幸せです。あの夜(※1)から赤い疑惑を呼んでイベントができるなんてうれしいですね。
田中: そやなあ。あの日(※1)でイベントやろうって急に動き出したもんね。
小野寺: 個人でイベントやるのってどうなんですか?お金とか…
田中: それは赤が出たら自分らでかぶるしかないやろー!
岩崎: 自腹です。
小野寺: 6月って言うとちょうど夏のボーナス…
岩崎: まだやもん!
小野寺: じゃあ定期崩せばいいよね…
岩崎: 崩さへん!
小野寺: うーん、個人で普通に仕事してて音楽をやってるわけでもない人たちがライブイベントする意味って何なんですかね?
岩崎: 単純に好きな人を呼んでイベントをしたい!かなあ。
小野寺: へえ〜
田中: めっちゃ興味なさそうやなあ(笑)。でもやっぱりそこは大きいよね。
でも何かそれだけなんかなあ。けっこうしんどい思いして、こんな訳分からん座談会やって…
岩崎: 2月の赤い疑惑のライブ(※1)を見て、もっとたくさんの人に赤い疑惑を見て欲しいと思ったんですよね。
田中: あーあの日はそう思ったなあ。何か赤い疑惑に「京都はもっとあなたたちのことが好きだ!」ってわかってもらいたかった(笑)。んで、一回やろうって決めたら、いろいろとおもしろいアイデアが出てきたから楽しくなってきちゃったな。小野寺は何で手伝ってくれるの?
小野寺: 暇だからかなあ…
田中: ああ、そっか…
小野寺: 音楽イベントは一切興味ないんですけど、ブルガ新聞(※2)ならもう一回やりたいなあと思って。
田中: あっそうなんや!意外。ボロフェスタ(※3)とか手伝ってたのに。
小野寺: 申し訳ないんですけど、ミュージシャンじゃない人のやってるイベントってあんまり意味がわかんないんですよ。あと人生を棒に振ってる人のイベントじゃないと手伝う気にならないんですよね。
田中: あーそうなんか。でもわかる。私も自分でイベントやっといてなんやけど、個人イベンターの意味が分からんもん。目標が設定しにくい。最終到達点が見えへんねん。
岩崎: そうなんですか?
田中: そうやで!しんどいだけやん!ミュージシャンは自分のためになるけど、音楽やってない人間なんか別に何にもならへんもん。お金も時間も減るだけやし。私の睡眠時間を返してくれ!
小野寺: 個人でやるにしても、バブルの頃に外タレを家に呼んだりしてた金持ちとの違いってあるんですかね?ただ見たいっていうだけならそれで済むのに、イベントにする意味って何なんですかね?
田中: そうやねん。私もすごいそれは思うねん。
岩崎: 私は全然個人でやるやらないっていう概念がなかったなあ…。
(遠い目をしてどこかへ旅立っている)
田中: 私はボロフェスタとか手伝ってて、そこで音楽やってるメインスタッフと音楽やってないメインスタッフの違いについていつも考えてたから、そういう存在意義ってすごくメインテーマになるな。
私は、あんまり「このアーティストをいろんな人に見せたい!」っていう意識は実は低いと思う。
それよりも、自分の作品を作ってるのに近いかも。箱があって空気があってそこに合うミュージシャンがいて、ホームページとか新聞とかフライヤーとかそういう修飾物があって、自分の思い描く空間がそこにできあがってる感じがすごく好きなんやと思う。だから大きくなりすぎたイベントには興味がなくなったし、やる意味が見えへんようになったんやと思う。
ブルガ(※4)のメンバーでもう一回ブルガみたいな、でもブルガよりももう少し大きなイベントをやりたくなったんかもしれない。単純に小野寺とか土門とかまさことまた一緒に何か作れるっていうのが、うれしかったりするし。みんなで一緒にまたおもしろいことしようと思った。それが一番大きいかな。
岩崎: (やっと遠い場所から帰還)
私は、さっきのリカちゃんの話を聞いてソレ(お金持ちが自分のために外タレを自宅に呼ぶ)とは違うなって思った。私は今までずっとお客さんとしてライブに行ってて、ライブハウスで音楽聴いてると周りの人も一緒に、良いにしろ悪いにしろ何かを音楽から感じ取っていて、そういうのを見るのが私自身大好きだから、自分でイベントをやってみんなにいろんなものを持って帰って欲しいなって思った。
それと私も前のブルガのメンバーでまたイベントやりたいっていうのあります!
田中: おお、なんかいい話になったな!個人イベントに興味のない小野寺も手伝ってくれるって言ってることやし、みんなで頑張っていこか!
小野寺: いや、でもS君(東京の某大学生)のイベントには興味あります。
岩崎: なんで?
小野寺: 人生BF(※5)なんで…
田中: (爆笑)
じゃあ、私らは人生を棒に振らないように楽しくBFなイベントを作っていこうか。まあイベントを始める動機は内向きやけど、イベント自体は外向きで。地方都市の抱える問題を打破しながら、京都インディーズシーンの底上げをしていこう!とか何とか仰々しいことを目標にがんばりましょう。(あんまり本気で思ってないけど。)
岩崎&小野寺: はい!
小野寺: でも私は手伝うの新聞だけですよ。
田中&岩崎: あ、はい…。よろしくお願いします…。